賃貸経営の基礎知識

第19回 老朽化アパートの収益改善プロジェクト!PART2

空室・賃料下落・修繕費用の上昇・耐震性に不安 ・・・思い切って「建て替え」を決断するのもひとつの方法

空室・賃料下落・修繕費用の上昇・耐震性に不安 ・・・思い切って「建て替え」を決断するのもひとつの方法

老朽化アパートの収益改善を考えた、リフォームやリノベーション( 用途変更)、さらには「建て替え」など様々な方法がありまが、どの手法を採用するにしても多額の費用を要することになります。実際にどの手法を用いて収益改善をプランニングするかは、建物の立地のほか、現賃料とプロジェクト完了後の新賃料を比較して検討することが重要です。右写真のクオリア目白( 豊島区) は、2009 年8月に竣工した住友不動産の2×4工法による賃貸住宅ですが、オーナーのY 様は、築30年を経過した老朽化アパートを相続によって取得されました。しかし、建物の老朽化に伴う傷みでメンテナンス費用がかさみ、今後の対策に悩まれており住友不動産にご相談をいただきました。 JR 山手線「目白」駅から徒歩圏という好立地であるためか、老朽化はしているものの、全8室中6所帯が埋まっているという優良物件でもありました。しかし、近隣の賃貸住宅と比べると賃料が極端に低く、収入面と修繕費用(支出)とのバランスが非常に悪く、住友不動産では、思い切って建て替えのご提案を行いました。M 様の場合、豊島区目白というJR 山手線内の好立地であることから、立ち退きに関わる費用や解体費用などを入れても充分に採算が取れ、収益が上昇するプランが可能と判断をしたからです。

立ち退きに関する諸問題が「建て替え( 収益改善)」計画の最大のポイント

立ち退きに関する諸問題が「建て替え( 収益改善)」計画の最大のポイント

オーナーのM 様には、将来の展望も見据えた現実的な「収支計画書」を作成し、メリットとデメリットをじっくりご説明をさせていただき、建て替えによる収益改善のご決断をいただき老朽化アパートの収益改善プロジェクトがスタートしました。プロジェクトを実行するにあたり、まず最初の問題は6所帯の立ち退き問題。本プロジェクトの場合、現在の耐震基準を満たした建物ではないため、このまま老朽化が進むと入居者にも危険が及ぶため、「老朽化のための建て替え」という法的な立ち退きの「正当事由」はありましたが、この事由だけでは、実際には難しく、入居者の方々との折衝を親身になって行うことが必要とされました。

立ち退き交渉は、入居者の方々の事情を親身になって聞くことにより、解決の糸口が見えてきます。

立ち退き交渉は、入居者の方々の事情を親身になって聞くことにより、解決の糸口が見えてきます。

立ち退き交渉は、まずは入居者の方々の気持ちを大事にして、ご事情やご要望をじっくりと聞くことがとても重要です。入居者のご事情もわからないうちから感情を逆なでするような態度で接すると、入居者が心を閉ざし、問題が長期化し、多額の費用を要する原因に発展しかねません。今回のプロジェクトでは、入居者の方々へ、できる限りご要望やご事情をお伺いし、誠意をもって対応することができましたので、予定をしていたスケジュールより1ヶ月も前に全室の立ち退きが完了し、余裕を持って工事に着手することができ、オーナー様には大変喜んでいただきました。建て替えた賃貸住宅は、外壁全面に光触媒タイルを採用した高級仕様で、設備にも入居者ニーズが高い対面キッチンやたっぷり収納、防犯ペアガラスなどを採用。賃料収入も上昇し大幅な収益改善が実現しました。

■住友不動産の賃貸住宅実例集はこちら

土地活用・資産運用のことなら住友不動産にお任せください。

お電話でのお問い合わせ フリーダイヤル:0120-241-386 施工エリア:東京・神奈川・千葉・埼玉