賃貸経営の基礎知識

第26回 入口と出口にご用心!〜サブリース契約 (1)入口編

米澤 章吾氏(米澤総合法律事務所)

入口と出口にご用心!〜サブリース契約 (1)入口編

入口と出口にご用心!〜サブリース契約 (1)入口編

「サブリース」という言葉,ご存知の方も多いかと思いますが,要は,建物の「また貸し」です。通常,また貸しというと,AさんがBさんに建物を貸したら,そのBさんがCさんに貸すということを指します。

サブリースの場合,このBさんにあたるのが,不動産仲介業者で,持ち主であるAさんから一括で建物を借り上げて,入居者となるCさんに貸す,というビジネスモデルが多く用いられるのが所謂「サブリース」なのです。

特に多いのは,Aさんが建物を不動産会社に建築依頼しようとするときに,その会社Bが,建築とあわせて,30年一括借り上げしますよ~という形のサブリースを薦めてくるパターンです。

チラシや新聞などの宣伝で掲載されているのを見たことがある方もいらっしゃると思います。
そこでは,空室が出ないよう保証しますよ~とか,当社が入居者の滞納トラブルなどの窓口になるので安心ですよ~とか,一定の家賃が必ず入ってくるので収入も安定しますよ~という旨みについて,大々的に掲載されているのではないかと思います。

しかし,それだけサブリースを薦めてくるのは,それなりの理由があってのことなのです。つまり,それだけ不動産会社にとってもメリットがあるのです。
具体的には,
(1) 竣工後免責期間が設定されている(当然,その間は賃料が入ってこない)
(2) 将来の大規模修繕工事が条件となっており,しかも,不動産会社が選定する業者しか使えず,割高だったりする
(3) 持ち主からの契約の解約に多額の違約金が発生する
(4) 礼金や更新料は入居者との契約当事者となる不動産会社になる
などなどです。

こういった,持ち主にとって不利な,あるいはサブリースのデメリットとも言えるべき事項については,広告に書かれていればまだ良心的な方で,それでも端の方にこっそりと書かれていたりします。

また,契約書には当然,上記は約束事項として条項に挙げられているはずなのですが,不動産会社側が作成した契約書は細かい文字でびっしり書かれているので,持ち主も隅々までに見ないで調印してしまうことがあり,注意が必要です。
もちろん,調印すれば,契約書の内容について全て認めたとみなされてしまいます。このように,サブリースも,確かに利点もあるかもしれない一方で,上記のようなリスクもあるということを重々検討,ご承知のうえで,契約書をよく隅々まで読んで,納得したうえで調印してください。

サブリース契約に限らず,契約書に調印するということは,かくも恐ろしいことなのです。

さて,契約の入口でもこれだけのリスクがあるサブリースですが,契約書をよく読んで調印したとしても,別の落とし穴があるのです。
その落とし穴については,次回お伝えしたいと思います。

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