ツーバイフォー工法の家は、床・壁・天井の各面をダイヤフラムと呼ばれる枠組パネルで構成し、それぞれを固く結合した6面体で建物を支える構造です。この6面体構造が、優れた”住まいの基本性能”を生み出します。例えば、建物は箱のような一体構造のため、地震の際に高い耐震性を発揮します。また6つの面を隙間なく接合することで、熱ロスの少ない高気密住宅を実現し、さらに家全体を断熱材で包むことで、高い断熱性も兼ね備えています。
高耐震・高気密・高断熱、これらの基本性能を土台とした、住みやすく、快適で安心な住空間がツーバイフォー工法の家です。
木造軸組工法(従来工法)が、建物を柱や梁といった線や点で支えるのに対し、ツーバイフォー工法の家は、床面、壁面、天井(屋根)面の6つの面で支える壁構造をしています。各面は枠組材と構造用面材が一体化したパネルで形成されており、それぞれの面を結合して6面体構造とすることで、地震や台風などの外力を各面に効率よく分散させることができます。
よってツーバイフォー工法の家は荷重が一点に集中することがなく、どのような方向からの外力に対しても建物全体でバランスよく受け止めることができ、優れた耐震性を発揮することができるのです。
マグニチュード7.3を記録した阪神・淡路大震災。家屋への被害は、全壊約10万棟、半壊・一部損壊約28万9000棟におよびました。そうしたなか、住友不動産の2×4工法住宅は該当地区の727件のほとんどが無傷で、全・半壊はゼロでした。同様に、最大震度7を記録し、甚大な被害をもたらした東日本大震災、平成28年熊本地震でも、住友不動産の家は地震の揺れによる全半壊はゼロだったことが確認されています。
建物と地面をしっかりと固定し、大きな荷重を受け止めるのが基礎の役割です。基礎が十分に強固でなければ、建物やそこでの暮らしを支えることはできません。このため住友不動産では、戸建住宅としては強度の高いベタ基礎タイプの独自のグランド基礎を標準仕様に採用。立ち上がり幅150mm、基礎高を地盤面から430mmとするなど、住宅金融支援機構の技術基準を上回る基礎構造を実現しています。
さらに、地盤面に防湿フィルムを敷いて配筋したうえ、所定の厚さのコンクリートを打設して建物基礎底盤全体を一体化。防湿コンクリートと防湿フィルムにより、地面より上がってくる湿気から土台や床を守り、住宅の耐久性を向上させています。
ツーバイフォー住宅は、鉄骨造などに比べて建物躯体重量が軽いため地盤への影響が少なく、不同沈下も起こりにくい構造といえます。
しかし、より確かな家づくりのためには、地盤の強さ(あるいは弱さ)を把握することが大切です。住友不動産では地盤調査に最も適しているとされ、日本建築学会からも推奨されているスウェーデン式サウンディング方式を採用。この方式はスクリューのついたロッド(棒)に重りを乗せて地中に貫入させ、その抵抗により地盤の硬軟を測定し、土質の概略を判断するものです。この調査により地盤の強さを表す地耐力のほか、地層の構成や地下水位なども知ることができます。
結露は温度の高い空気が冷たい物に触れ、空気中に含まれていた水蒸気が水になることで発生します。
屋内と屋外を隔てる住宅の壁は、温度差によって結露しやすく、壁表面に発生した結露はカビやダニの原因となります。また、壁内で発生すれば木材を腐朽させるなど、住宅にさまざまな悪影響を与えます。
ツーバイフォー住宅は、構造材である木材自体が優れた断熱性を持っているため、結露が発生しにくいという特長があります。
さらに、住友不動産では、通気層により水蒸気を壁内から追い出す外壁通気工法とともに壁内側に湿気を入れないベーパーバリア(防湿フィルム)を採用するなど、さまざまな独自の結露防止対策を施しています。
地面から発生する水蒸気は、住まいの耐久性を大きく左右する要因です。住友不動産では床下の湿気を抑えるため、地面に防湿フィルムを敷き、その上に防湿コンクリートを打設。地面からの水蒸気を防いでいます。また、これまでの一般的な住宅では、床下の換気のため基礎に開口部を設けていましたが、住友不動産では建物と土台の連結部分に基礎パッキンを採用。従来の床下換気口に比べ1.5倍から2倍の換気量を実現しています。また、基礎に開口部をとらないので、断面欠損による基礎強度の低下も抑えています。
1987年、当時の建設省などが中心になって実物大住宅の火災実験が行われ、ツーバイフォー住宅の優れた耐火性が実証されました。
この実験では、耐火構造でない木造軸組住宅が約10分で1000℃に達したのに対し、ツーバイフォー住宅が1000℃を超えたのは、35分から40分後というデータが得られました。また、1階の火元から大きく燃え広がるのに要した時間は70分を超えました。
こうした結果から、初期消火やご家族が避難するための時間が充分あることが確認されました。
火は、床下や壁の裏側、天井裏など空気の通り道に沿って燃え広がります。
ツーバイフォー工法の住宅は、各部屋が独立した空間になっており、それぞれが高い気密性を持っています。さらに各居室間や1・2階は、防火シャッターのような効果を発揮するファイヤーストップ構造になっています。つまり各部屋が防火区画として機能するため、もし室内で火災が発生しても、火は家全体にはなかなか広がりません。
また万が一、隣家で火災が発生した場合でも類焼から免れるため、屋根には、不燃材である平形スレート板を採用。外壁や軒裏も防火仕様とするなど、類焼防止策を講じています。